試食、試飲、試着、試用、視聴、体験入学、体験学習、インターンシップ等々…。人が購買などの行動を起こすきっかけとして、実際に「体験」することがいかに効果的であるかという証明である。VR、ARも「体験」が売りである。
実際にモノがあれば体験は可能である。がモノがない、情報だけのものもある。生命保険などがそうである。
モノがないものは体験してもらうのは難しい。生命保険加入体験なんてものは基本ない。だから、無料で加入できますよと無料加入を勧めて、個人のより詳細な情報を集め、その情報にあった保険をすすめる…。…なんてことをやっているくらいだ。
※体験談という手法もある。体験談は体験できない、しにくい、するのに抵抗がある、などといった場合に体験した感じを伝える、あるいは抵抗感を下げるのに効果的だと思われているから通販などで多様される手法である。
コロナワクチン接種も実際に打つことは可能だが、お試しというものが存在しない。試しにワクチン打ってみた…、などということが基本出来ない。
で、感染を抑制するために接種率を上げるのが最優先事項となるので、「無料」で打ってもらおうとなる。
生命保険もコロナワクチンも、実際に使用後、利用後に手に入るのは一番ベストでも「(これまでの)日常」止まり。失われた日常は貴重だと思う人も多いが、コロナの場合、緊急事態宣言下でもこれまでの日常を謳歌している人もいる。
※2021年7月の日本国内の宿泊者数は3000万人を超えていた…、なんて話もある。
「ワクチンを打たないと日常が戻ってこないですよ」「ワクチンの接種率が高くなれば、日常が取り戻せますよ」と言われても、「そこそこの日常は過ごせてますけど」で終わりである。
日常を失ったという体験がなければ、日常を取り戻したという体験はできない。ワクチン接種が進むには、体験を超える「何か」が必要である。それが所属感なのか、連帯感なのか、お得感なのか…、それとも罪悪感なのか…。何にしても、打ちたい人が打てる体制が急務なのだろう。少なくとも打つことに興味のない人の興味を引くことよりも。
今日はここまで。文責 江口
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1DC
本人です。カウント用
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