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ドーナツとドーナツの穴 第274回『どちて坊や』

『ドーナツ』≒意識しているもの、表、機会、建前、見えているもの、認識しているもの…。

『ドーナツの穴』≒意識していないもの、裏、機会損失、ホンネ、見えていないもの、認識していないもの…。

そんな意味合いで捉えてもらえればと思います。実際書きたいことを書いているので、テーマ通りには毎回いかないですが、そこはご容赦を…。

 第274回は『どちて坊や』


 アニメ「一休さん」に出てきたキャラクター「どちて坊や」。ことあるごとに「どちてですか?(どうしてですか?)」と聞きまわって周囲を困惑させる。……そんなキャラクターだったと思う。



 「どちてですか?」に困惑するのはどこか的を射た質問だったり、思いもしなかった角度からの質問だったりするからである。場合によっては、「答えがない」とか「答えが無数にある」なんて質問もあるだろうから、周囲は余計に返答に窮することになるのだろうが…。



 同じ問いであっても、答えには層がある。十分な層まで達していないと不十分な答えになる。十分な深さまでたどり着くために「どちて?」はある。

深みに嵌って、「なぜ?の嵐」に巻き込まれてしまうこともあるかもしれないが…※「なぜ?の嵐」にピンとくる人がいると少し嬉しい。



 トヨタ式生産システムの産みの親、大野耐一氏は、『「なぜその問題が生じているのか?」ということをしつこく5回繰り返し、根源的な原因(真因)をつきとめよ』としたとしている。



 大人になると、「どちて?」「何故?」「どうして?」は何故か不用意には使い難くなる。が、本当の大人は「どちて?」をきちんと使いこなしている。


 今の時代、「答えっぽいもの」が溢れていて、それには深さが足りない。今抱えている問題に対して「答え」を出すには、5回の「何故?」で十分かどうかはともかく、もう少し「どちて?」と時間をかけるべきなのかもしれない…。
 


「ドーナツ」=『「どちてですか?」に困惑するのはどこか的を射た質問だったり、思いもしなかった角度からの質問だったりするからである。』

「ドーナツの穴」=『今の時代、「答えっぽいもの」が溢れていて、それには深さが足りない。今抱えている問題に対して「答え」を出すには、5回の「何故?」で十分かどうかはともかく、もう少し「どちて?」と時間をかけるべきなのかもしれない…。』





 今日はここまで。文責 江口
20230111.bmp
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