名誉返上で思い浮かべる人に、世界の盗塁王「福本豊」氏がいる。
「名誉返上」とはあまり使われない。多く使われる、正しいと言われる表現は「名誉挽回」である。だがこれは、失った名誉があるという前提の話…。もちろん、人として失ってはいけない誇りはあるだろう。が、不必要な名誉を欲しがるとろくなことはない。「名を捨てて実を取る」なんて言葉もある。本当に挽回する価値のある名誉なのかは熟慮すべきだろう。
福本豊氏が国民栄誉賞を断った際の言葉で、
『(国民栄誉賞を断った理由)立ちションベンもできんようになるがな』
はあまりにも有名な言葉だが、立ちションベンという言葉遣いはともかく、「謙虚さ」からくる辞退であることをとある雑誌の取材で答えておられた。
福本氏は当時の盗塁数世界記録を持っている。それに誇りもあるだろう。が名誉とは何か違う。与えられる名誉ではなく、自分が為したという「誇り」。
名誉と誇り…。自分には誇りで十分である。人がどうこういうのは関係ない。だから名誉返上した…。かどうかはわからないが…。
誇りは自分次第。名誉は他人次第。名誉は有難いが、名誉に左右されるような人生は歩みたくない。
名誉(国民栄誉賞)返上に福本氏の誇りを見た…。
福本氏の飾らない言動と、このエピソードが大好きである。
今日はここまで。文責 江口
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本人です。カウント用
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