豊中 訪問看護は「あったかリハビリ」へ

ドーナツとドーナツの穴 第63回 『「かけ」・「たて」論〜point of no return〜』

『ドーナツ』≒意識しているもの、表、機会、建前、見えているもの、認識しているもの…。

『ドーナツの穴』≒意識していないもの、裏、機会損失、ホンネ、見えていないもの、認識していないもの…。

そんな意味合いで捉えてもらえればと思います。実際書きたいことを書いているので、テーマ通りには毎回いかないですが、そこはご容赦を…。


 第63回は『「かけ」・「たて」論〜point of no return〜』


 「かけ」・「たて」。あえて、「・←(なかぐろ)」を入れている。点(point)を表すためだ。本来は連続性のある「かけ」と「たて」にpoint of no returnがあることを示すためである。


 point of no returnとは、元々は航空用語で、「帰還不能点」(飛行機がもはや出発点に戻る燃料がなくなる点)という意味だ。
※カタカナで「ポイントオブノーリターン」と検索すれば、すぐに出てくる。余談だが、アルファベットで「point of no return」と検索すれば、ケミストリーの2枚目のシングルが検索上位にくると思う。

これが転じて、ある事象が進行して、それ以上進むと戻れなくなる、回復不能になるみたいな意味で比喩的に使われることが多くなった。

・公害(カタカナで検索したときにトップの検索結果が「水俣病」の例をあげている)
※参考:論座https://webronza.asahi.com/business/articles/2013111400003.html
・環境破壊
・人間関係(特に恋愛の終わり、ケミストリーの歌などはその例)
等々……

……

 本来、連続した事象に明確なpoint of no returnはない。航空機なら「燃料」という明確な判断基準があるのでまだそのポイントは見えやすいが…。


 状況が悪化しているのは皆わかっている。その中で最悪の方に状況が進み続けている…。まるで滝に向かっている河で、為す術もなく流されていく小舟の乗員のように…。


 変化の必要性をわかっている、あるいは唱える人間と、変化を求める、あるいは変化が必要な人間が別であることが、状況が悪化しているにも関わらず方向転換ができない理由の一つだ。世代間対立などがその顕著な例。もちろん、変化を求める人間の中に、必要性を理解しそれを訴えている人がいることはわかった上での話。

・社会保障問題
・少子化問題
・地球温暖化問題
……

『今を生きている人』と『未来を生きていく人』が違うことが、わかっていてもpoint of no returnを通り過ぎさせてしまう。


 大仰な話をしたいわけではない。須らく組織には、「組織維持」と「組織成長、変革」の対立がある。

「組織維持」=「現状の組織で利益を得ている人」≒「今を生きている人」
「組織成長、変革」=「組織の未来で利益を得たい人」≒「未来を生きる人」


成長する組織は、

『未来を生きる人の中に、組織維持の中で利益を得ている人がいる』

しかもその人は、その利益と力を

『未来を生きる人たちの為に、使う人である』

多分……。


 僕らが所属している組織(家族、職場、地域、国等々)は、まだpoint of no returnに達してはいないのか?まだ間に合うのだろうか?何が出来るのだろうか?……





 

「ドーナツ」= 『point of no return』

「ドーナツの穴」= 状況が悪化しているのは皆わかっている。その中で最悪の方に状況が進み続けている…。まるで滝に向かっている河で、為す術もなく流されていく小舟の乗員のように…。



今日はここまで。文責 江口
20230111.bmp
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